プロコフィエフ作曲・ピアノ協奏曲第3番

プロコフィエフ作曲・ピアノ協奏曲第3番

今日はプロコフィエフのピアノコンチェルト第3番をご紹介します。

本作は1917〜1921年に書かれた曲で、プロオフィエフのピアノコンチェルトの中でも人気の高い曲です。ハ長調、第2楽章に変奏曲を置く3楽章形式になっています。

この曲は本当にカッコいいです。音楽が実に生き生きとしていて、そのオケがピアノによく掛け合ってくるので面白みもあり、そしてピアノに華があります。さらに人気が高い理由は、わかりやすい和音(それを特殊な連結で特殊な調性感に持っていくのですが)、掴みやすい拍感、ノリの良さを持っていることでしょう。その分懐古的な側面は否めませんが、「わかりやすい・掴みやすい・ノリやすい」、これはヒット曲の3大原則でもあります。

ユニークなのはやはり2楽章の変奏曲で、テーマの後、5つの変奏が表されたのち、再びテーマが(といっても拡大型になっていますが)繰り返されます。変奏曲を協奏曲の中間楽章で持ってくるのは、そうきたかっ!という感じです。

協奏曲ですが、オケがピアノのバックになって慎重に支えると言うよりは、まさに競争している感じで、オーケストレーションにも遠慮がありません。オケが多少ピアノを食っている感が否めない箇所もありますが、それでも負けじと表現に駆り立てるモチベーションをピアノに持たせているため、ピアノコンクールの決勝などで頻回に弾かれる理由もここにあると思われます。

この曲はピアニストにとってはノリノリで楽しい曲に違いないと思います。

(宮川慎一郎)