ピアノ演奏を楽譜で学ぶ・耳で学ぶ

ピアノ教室で、ピアノ演奏を学ぶ際に、楽譜で学ぶか・耳で学ぶかということについて今日はお話ししたいと思います。

幼少期の脳は論理思考より、五感を使った直感的思考の方が優勢だと言われています。

その特性から、幼少期は、先生などのピアノ演奏を聞いて、真似して上達する生徒さんが多いのは確かです。

ただし人の真似ばかりをしていると、自己のアイデンティティは確立されず、表現者(ピアノを弾く一人の人間)として好ましい結果を生むとは限りません。

よくあるケースは、音楽大学受験のためピアノを習っている際、必死になるあまり、それと意識ぜずに先生や巨匠の真似をしてしまっているケースです。

打鍵法、運指(指の使い方)、ペダリングまで、真面目な生徒さんほど、その傾向が強く見られます。

つまり、演奏を耳で学んでしまうのです。

ところが、音楽の観念的思考や、難しい曲への理解・解釈、音楽理論などは楽譜から学ぶしかありません。つまり、最終的には、音楽を耳で学ぶことは不可能です。

とはいえ、当教室では、耳で学ぶことを全面的に否定はしません。

ただし、その先にある、楽譜の意義Langue(ラング=楽譜に記譜された言語)とPartitura(視覚的な楽譜の理解)の重要性を、生徒さんに常に意識して頂くようにしています。