和音と和声の違いとは?

和音と和声は似ているように見えます。
しかし、厳密には、まったく別ものです。

今日のテーマは、この似て非なる二つのものについてです。

ところで、和音は英語で「Accord(アコード)」といいます。
一方、和声は「Harmonie(ハーモニー)」といいます。

和音(アコード)には、「合意」、「一致」、「和解」などの意味もあります。そのため一般用語としてもアコードは比較的使われます。たとえば、そうですね、「彼の言動は一致していない」などと言う時に使われることがあります。

一方、和声(ハーモニー)には、「和合」、「和音」、「調和」などの意味もあります。そのためか、和声(ハーモニー)は音楽用語以外では、日常的にはあまり使われないようです。

さて、そろそろ本題にいきましょう。

試しに、ピアノでドミソを同時に弾いてみてください。
これはドミソという「和音」です。
しかし、ドミソ→シファソ→ドミソと連結させると、これは「和声」になります。

つまり、和声は、和音同士の有機的なつながりに準拠します。
言い方を変えれば、音楽的文脈に沿った「和音の連なりのこと」が和声であると言えます。
だからこそ、和声には禁則が存在するとも言えます。和音同士を限られた声部で繋ぎ合わせるのですから。

和音も和声も、昔からからある概念です。
和音については古代ギリシアのピタゴラスが算術を用いて体系化しました。
一方、和声は歴史が浅く、その祖はJ.Ph.ラモー(1683-1764年)にあると考えられています。

余談ですが、和音の知識は楽典の初歩で学びます。多くの楽典の教科書には、それぞれの音同士の振動比率が載っています。
したがって、和音には物理的側面があります。

一方の和声は、楽典の後に学びます。和声の仕組みを理解し、問題(課題)を解ける(実施できる)ようになるには、ある程度の長い音楽経験が必要です。別の言い方をすれば、ある程度の音楽的リテラシーが必要です。さらに、その仕組みを理解するには教科書には載っていない多くの解説が必要になり、添削では客観性が重要になるため、和声を独学で習得するのは、ほぼ不可能と思われます。

ーさて、閑話休題、そろそろ本題に戻りましょう。

いずれにしても、和音と和声について深く学ぶことは、特に調性音楽における、音楽理解(または演奏・作曲)の第一歩になります。

和音は音楽の三要素の一つです。
そのような意味でも、私たち練馬区江古田のびび音楽教室の生徒には、その方が仮にピアノコースを習っていたとしても、和音と和声について学ぶレッスンを行なっています。

(2022.4.28宮川慎一郎)

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