ピアノの練習をする気が起きない時は?大人編(中・高校生以上)
今日は、ピアノを習っている方なら、誰でも経験のあるお話です。
ピアノの練習をする気が起きない時、そんな時はどうしたら良いのでしょうか?
ピアノという楽器は、多くの場合、そしてある程度のレベルまでは、毎日コツコツとマメに練習することで上達します。したがって、練習する気が起きない時は、「さて、どうしたものか」と皆さん思われるようです。
世界的ベストセラーを飛ばした心理学者、ケリー・マクゴニガルは、著書『スタンフォードの自分を変える教室』(大和書房)の中で、次のようなことを述べています。
彼女の論旨を、ごく簡単にまとめると、
・人間には、「やる力」「やらない力」「望む力」の三つがある
・「やる力」とは、面倒なことに取り組む力のこと
・「やらない力」とは、様々な誘惑を断つ力のこと
・「望む力」とは、あなたが本当に望んでいることを思い出す力のこと
そして、これら三つの力を以って、人間は自らの意思を強めることができ、目標が達成できるというものです。
では、これをピアノの練習に当てはめて考えてみましょう。
もし仮に、ピアノの練習時間に、YouTubeに気を取られていたら、「やらない力」でパソコンを閉じます。
そして、ピアノを上達したいという具体的な目標を、「望む力」で思い出します。
さらに、「やる力」で鍵盤に触れてみるのです。
ただ、そうは言っても、実際はそう簡単にはいきません。
大人の場合、特に社会人経験者や主婦の方・子や親に責任のある方が気をとられる大抵のことは、誘惑というには、より深刻かつ重大な問題が多いですし、時間を取られるものです。それによって当初のピアノの目標を断念せざるを得ない場合もあります。
しかし、面倒な練習を「やる力」だけは、工夫次第で何とかなります。
ここからは、私流の「やる力」の出し方をご紹介します。
【「やる力」を引き出す八か条】
一つ、自分で自分に高すぎるハードルを作るべからず。
一つ、他人のピアノと自分のピアノを比べるべからず。
一つ、自分のピアノの美点を紙に書くべし。
一つ、何時間練習したかに意識を向けるより、気づいたら何時間練習してしまったという認識の仕方をすべし。
一つ、何回練習しても、出来ないものは出来ないと開き直るべし。さすれば、いつの間にか出来るようになる。
一つ、意識的に体を動かし練習するは当然だが、無意識に体が動いていることに注視せよ。
一つ、どうしても練習する気の起きぬ時は、一音だけでも出してみるべし。さすれば、頭より体がノリノリになってくる。
一つ、それでもやる気の起きぬ時は、ピアノ椅子に取り敢えず座ってみるべし。
この中でも、自分で自分に高すぎるハードルを課してしまって、結果的にやる気を損ねてしまうケースは、とても多いように感じています。
『ピアノの練習をする気が起きない時は?(子供編)』は、親御さんとの関係性が含まれてくるため、私は大人編よりも複雑だと思っています。これについては、また別の機会に書いてみたいと思います。