ピアノ教室で和声法などの音楽理論を習う重要性

今日は、ピアノなどの音楽を習っている方にとって、音楽理論の習得がどのような重要性を持つかという話題です。

まず、音楽理論とは、「音楽についての経験的・実践的認識を背景に、その諸要素を理論的に構築したもの」のことです。

もう少し噛み砕くと、「音楽で感じたことを、言葉と理屈に置き換えたもの」が音楽理論であるということができます。

試しにピアノで、ドミソという和音と、となりのレファラという和音を弾いて、聴き比べてみましょう。

さて、どうでしょうか?

ドミソより、レファラの方が全体的に「音が高い」と感じますが、ドミソの方が「音が明るい」と感じませんか?

では、「レファラの方が音が高いこと」と「ドミソの方が明るいこと」を理論立てて説明できないか考えてみましょう。これは少し難しいですね。ここでクラシック音楽の祖先たちは、周波数と振動比率の概念を取り入れて、この現象を理論的に説明しました。

そして、和音に関する事柄について、「これこれ、こうだから、こうで」、「だから、こういうことが言えて」、「それは、これとこういう関係を持つ」という風に体系化したものが、楽典や和声法(和声学)という音楽理論になりました。

音楽理論にはこのほかに、対位法、楽式論(形式論)、管弦楽法(楽器法)、また広義には旋法、リズム論、時間論などがあり、1945年以降ではセリーやスペクトル解析なども含まれます。

作曲を習う生徒さんにとって、これらが重要であることは明白ですが、ピアノを習う生徒さんにとっては?とも思えます。

実際のところは、どうなのでしょうか?

その答えは、実は、すでに上の方に出てきています。ドミソという和音と、レファラという和音のお話です。

ドミソとレファラが違うということは、幼児さんにはかろうじて分かりますが、どう違うかまでは分かりません。個人差もありますが、小学生くらいになって言葉が発達してくると、明るい暗い・高い低いがようやく分かるようになってきます。

しかし、ピアノを弾く上では、二つの和音の違いを具体的に認識できないと、聴き手に対し、その音楽を正しく伝えることができません。つまり、自分がよく分かっていない話を、人に分かるように伝えることが不可能なのと同じ理屈です。

これがピアノを習う方にとって、音楽理論が重要である理由なのです。(宮川慎一郎)

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