ピアノで初見演奏ができるようになるには?
よく生徒さんから受ける質問に、こういったものがあります。
「初めて見る楽譜って、音源もないのに、どうやって演奏するんですか?」
あるいは、
「先生、なんで初めて見る楽譜なのに、演奏できるんですか?」
このような質問です。
初めて見る楽譜を演奏することを、初見演奏と言います。
初見演奏には、様々な音楽の基礎能力が必要ですが、大きく分けると次の3点になります。
1、最低限の楽典やソルフェージュ能力、および和声感
2、最低限のピアノ演奏技術
3、楽譜から音楽のイメージを読み取る力
これらのうち、1と2は何となくご想像いただけると思います。
さて、問題は3です。
「楽譜から音楽のイメージを読み取る力」とは一体なんでしょうか。
実は、これはソルフェージュ能力と重なる部分があるのですが、といって、それだけでもありません。
3の力を伸ばすには、時代を問わず、なるべくたくさんの音楽を楽譜を見ながら聴くことです。それにより、楽譜の図的なパターンと、鳴る音を結び付けることが出来るようになります。
初見演奏では、楽譜を追う視線も重要な役割を果たします。初見演奏の際には、今弾いている小節よりも1〜2小節先を見ながら弾きますが、これによって次にどう弾いたら良いかが予見できるのです。
このような訓練は、一朝一夕でできるものではありません。しかし、少しずつ積み重ねて勉強をしていけば、できるようになるものです。
どんな楽譜でも、初めて見て演奏できると楽しいですし、音楽の世界がグッと広がります。(宮川慎一郎)