作曲の習い方や和声の勉強法
今日のテーマは、クラシックの作曲や和声の習得・上達についてです。
この教室には作曲や和声を学びたいと、多くの生徒さんが訪れます。
その中で異様に伸びる生徒さんが稀にいます。
そういう方にはある程度共通した特徴があります。
それは、
- ピアノやソルフェージュなど音楽の基礎がある
- 作曲(音楽)や和声(音楽の構造)に心を動かされ、感動している
- クリエーター気質か職人気質かのどちらかである
- 安易に答えを講師に求めない
- 真面目でストイックか、真剣で負けず嫌いである
- 効率のいい勉強法を知っているか、効率のいい勉強法を編み出そうと試みている
- ウィークデーは仕事をしているなど意外に忙しい人か、受験など大きな目標を前にしている
以上の全てを兼ね備えている生徒さんはまずいませんが、なんとなく、そういう傾向があるように感じます。
しかし、作曲や和声の習得で何より大切なことは、
もう一度言います、
何より大切なことは、
「どんなレッスンを受けるかより、どうレッスンを受けるか」
を常に考えているということです。
つまり、どんなレッスンをしてくれるかと待ってるんではなく、どうレッスンを受け、目の前の講師から何を得ようか常に考えているということです。
作曲レッスンで私が尋ねる前から「今回はこういう意図で作ってみました」とか、
私の指摘に対して「おーなるほどー(感嘆の声)」とか、
和声レッスンで私が赤入れする前から次の小節を見ていて「あっ、やってしまった」とか、
「このレはラにすればいいのか」などなど、
とレッスンを受けながら能動的に自己学習しているということです。
前回のコラムで「作曲の上達は雑談にある」と書いたのも、生徒さんに能動性あってこそです。
こういった生徒さんのレッスンはとても楽しいし、その果敢な精神に尊敬の念すら覚え、好感を持ちます。
とはいえ、私は消極的な生徒さんも放っておけない気持ちになります。
たとえば、「来週はここまでやってきましょう」みたいに宿題を出さないとモチベーションが保てない生徒さん。
自信がなかったり、彷徨っていたり、生き甲斐が見出せず、結果的に消極的になってしまっている生徒さん。
また礼節を重んじるあまり、つい消極的になってしまう生徒さんもいます。
そもそもコミュニケーションが得意ではない生徒さんもいます。
こういう生徒さんを前にすると、私の中の、ある種の母性みたいなものが発動します。
つい、手取り足取りやってあげたくなってしまうのです。
そういう生徒さんには、レッスン的には懇切丁寧に説明を繰り返し、和声などでは間違い探しを一緒にし、直し方を生徒さんから引き出すようにします。
彷徨っている生徒さんは、話を聴いてあげたいし、力になってあげたくなります。
コミュニケーションが、という生徒さんは、頭の中では色々と考え感じていることが以心伝心で分かるので、私もあまり話さず、言葉ではなく心でコミュニケーションします。
だから、この教室には色々な生徒さんがいるのかも知れません。
作曲や和声の教え方が上手く、きちんと正しい知識を教えてくれる講師は確かにいます。
私もその部類に入ると思います。
しかし、本当に優れた講師は、生徒さんによって教え方や接し方を変えられる講師だと思っています。
剣豪、宮本武蔵の世界です。
自分の立ち回りは相手によって変幻自在なのです。
クラシックの作曲や和声の本格的なレッスンをご希望の方は、ぜひ美ゞ(びび)音楽教室(東京都練馬区江古田)まで。(宮川慎一郎)