ホームページ内に記載されている音楽用語をまとめました。不十分ですが、お使いください。

音楽用語


アウフタクト 弱起ともいう。1拍目以外から始まる音。その部分。
アファナシエフ Valery Afanassiev。ロシアのピアニスト、作家。
新しい複雑性 ファーニホウを中心とした楽派。
アナグラム 単語や文を構成する文字を入れ替えることによって、別の意味にさせること。
アナリーゼ 楽曲分析のこと。
アンサンブル 合奏(Ensemble)の意。
一部形式 一つの大楽節からなる形式。
印象派 ドビュッシー、ラヴェルなどを中心とした楽派。
MTL 移調の限られた旋法。メシアンがまとめ上げた。
オケ オーケストラの略。口語。
オスティナート 一定のカデンツやまとまりを持つフレーズが連続的に繰り返される様式。またはそのバス。
オスティナート技法 オスティナートのバス上で、反復されるたびに旋律等が変奏されていく技法。
オルガヌム 9世紀〜12世紀に作られた、もっとも初期の対位法的楽曲。グレゴリオ聖歌に基づく旋律の1音符に対し同じ1音符で5度または4度関係の旋律を加えたもの。
音階 スケール。ある音程を分割され順列されたもの。教会旋法や長・短音階は完全8度を8分割したもの。
音楽理論 音楽についての経験的認識を背景に、その諸要素を理論的に構築したもの。和声法、対位法、楽式論、管弦楽法などがある。
音教 音楽教室の略。口語。
音理 音楽理論の略。口語。
音楽美学 音楽における美学。哲学。


楽器法 楽器の特性に関する学問。
楽節 構造上のまとまりをもつ単位。4小節からなる小楽節、8小節からなる大楽節などがある。
楽典 音を楽譜に記す諸規則をまとめたもの。
カノン 厳格模倣によるポリフォニー。平行カノン、反行カノン、逆行カノン、拡大・縮小カノンなど様々なカノンがある。
教会旋法 中世に盛んに用いられた旋法。音階。長・短音階のもととなった。
ギロック ウィリアム・L.ギロック(William L. Gillock,1917-1993)はアメリカの作曲家。
グレゴリオ聖歌 9世紀〜10世紀に完成された無伴奏の聖歌。カトリック教会で歌われた。
厳格対位法 規範としての対位法。
コラール 賛美歌のこと。またコラールに対位法的に旋律を加えたものをコラール前奏曲といい、コラールの変形と複数声部によるJ.S.バッハのものが代表的。
5和音 ある音に対し、4つの音を3度ずつ堆積させたもの。


作曲 音に秩序を与えること。
三部形式 三つの部分からなる形式。A-B-A’の形をとり、ABにおける対照性とAA’における同一性を持つ。基礎楽式としては三つの大楽節からなる。
3和音 ある音に対し、2つの音を3度ずつ堆積させたもの。
刺繍音 和声音の上または下に2度音程で行き来する音。
主音 音階の第1音。調性音楽ではその部分を支配する調の主和音の根音。
主題 テーマともいう。一つの曲を形成するまとまり。第一主題、第二主題など。ただし、その規模、完結度、位置づけは時代や様式によって様々である。
小楽節 4小節からなる楽節。
数字付き低音 バスに記され、上方に堆積される和音の状態を示すもの。
新ウィーン楽派 シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクを中心とした20世紀の楽派。
スコア 総譜。オーケストラの楽譜を指す場合が多い。
スコリ スコアリーディングの略。口語。
スペクトル楽派 グリゼイ、ミュライユを中心とした楽派。
全音音階 完全8度を6等分した音階。長・短音階に馴染みやすいのでドビュッシーやラヴェルが好んで使った。
属音 音階の第5音。
ソナタ形式 提示部、展開部、再現部からなる楽式。広義の三部形式で、もっとも完成された形式の一つ。
ソプラノ課題 ソプラノ声部に示された旋律に対し、下3声を付け加えるもの。
ソルフェ ソルフェージュの略。口語。
ソルフェージュ もともとは歌唱練習を意味していた。そこから派生し、視唱、暗譜、聴音などを含む練習を指す語となった。主にフランスで発展した。


対位法 旋律とその累積に関する学問。
大楽節 8小節からなる楽節。
チャイコン チャイコフスキーのコンチェルトの略。口語。
チェルニー カルル・チェルニー(Carl Czerny, 1791-1857)による練習曲集。メカニック重視の30、40番、表現に重きを置いた100番、50番がある。
チューニング 調子(ピッチ)を整えること。
テーマ 主題ともいう。一つの曲を形成するまとまり。
展開 モティーフや主題を様々な観点から発展させる技法。細分化されたモティーフや主題が様々なテクスチュアに置かれ頻繁な転調をさせる。
転調 曲の途中で調が変わること。
導音 長調、単調における音階の第7音。主音に向かう性質がある。
動機 モティーフともいう。音楽を構成する最小単位。普通2小節からなる。
トゥーランガリラ・シンフォニー メシアンによるオーケストラ作品。
トータルセリー 音楽の諸要素を分類し、それぞれを順列的に扱って作曲する技法。またはその作品。シェーンベルクが考案した12音技法に起源をもつ。


7和音 ある音に対し、6つの音を3度ずつ堆積させたもの。最高音は第13音となる。
二部形式 二つの部分からなる形式。A-Bの形をとる。基礎楽式としては2つの大楽節からなる。


バス課題 バス声部に示された旋律に対し、上3声を付け加えるもの。
バーナム エドナ・メイ・バーナム(Edna Mae Burnam, 1907-2007)による『バーナム ピアノ テクニック』のこと。はじめから使えるやさしいメソッド。
ハノン 
シャルル=ルイ・アノン(Charles-Louis Hanon, 1820-1900)による『ピアノの名手になる60練習曲』のこと。指の持久力をつける。
バッハ 
注釈がない場合、ヨハン・セバスチャン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)のこと。
春祭 ストラヴィンスキー作曲の『春の祭典』のこと。
ピアコン ピアノコンチェルトの略。口語。
微分音 半音より狭い音程。四分音などがある。
非和声音 
和声音以外の音。掛留音(けいりゅうおん:Retards)、倚音(いおん:Appoggiatures)、刺繍音(ししゅうおん:Broderies)、経過音(けいかおん:Note de Passage)、保続音(ほぞくおん:Pédales)、先取音(せんしゅおん:Anticipation)、逸音(いつおん:échappée)などがある。
フォルマシオン・ミュジカル 1978年に開始されたフランスの新しい音楽教育法。
フーガ 主題を対位法により発展させたもの。フーガの規範となる学習フーガは、主題(主唱Sujet)-答唱(Réponse)-Sujetに対する対唱(Contre sujet)が各声部で模倣され、関連調の中で提示部(Exposition)と喜遊部(Divertiment)を繰り返し、切迫部(Strette)-属音の保続部(Pédale)と次いで結ぶ。一般的なフーガはより自由な構造をもつ。
複合三部形式 三部形式の各部分が二部形式以上からなる形式。例えばA(a-b)-B(c-d)-A'(a’-b’)といった形で、メヌエットなど一つの楽章になることもある。
変奏 主題を変化させる技法。古典派の作曲家に多く見られる厳格変奏(旋律装飾、伴奏変化、リズム変化、音価の拡大・縮小、和音変化、対位法的変奏など)、ロマン派以降に見られる性格変奏(楽想変化、小節数の拡大・縮小、主題の大幅な変化などの性格変奏)、オスティナートによるオスティナート変奏などがある。
変奏曲 一つの主題と複数の変奏によって構成された楽式。
ペンタトニック 5音音階。
ポリフォニー 複数の声部からなる多声音楽。


ミニマルミュージック ライヒ、グラスなどの楽派。最小単位のフレーズを反復する。
メソッド 教程。教育法。
モティーフ 動機ともいう。音楽を構成する最小単位。普通2小節からなる。
モード 旋法。完全8度を何らかの方法で分割し順列したもの。


4和音 ある音に対し、3つの音を3度ずつ堆積たせたもの。


リトミック ジャック=ダルクローズ(1865-1950)によって考案された音楽教育法。
6和音 ある音に対し、5つの音を3度ずつ堆積たせたもの。
ロンド形式 
主題が異なる楽想をはさんで繰り返される形式。A-B-A-C-Aなど。


わが音楽語法 メシアンによる書物。原題はTechique de mon Langage Musical。
和音 二つ以上の音が同時に鳴り重なった音。
和音記号 和音の状態を示す記号。ローマ数字を使った日本固有のものと、アラビア数字を使った数字付き低音のものがある。ローマ数字の方は調性を意識させる性能がある。頻繁な転調が起こるロマン派以降ではアラビア数字の方が使いやすい。
和声 和音のこと。和声法を略して言う場合もある。
和声音 和音を構成する音。
和声法 和音の状態と連結に関する学問。

 

【別録】

和音形態と和音数字(数字付き低音)の一覧表

テキスト

メシアン/野平一郎 訳『メシアンによるラヴェル分析』p.112-113