本日は、東京藝術大学大学院に受験・合格されたT.I.さんにご来室いただきました。T.I.さんが藝大受験を目指すまでのいきさつ、そして受験対策・合格までの道のりをお伺いしたいと思います。

インタビュアー:宮川慎一郎
編集:宮川真唯子

―あらためて、合格おめでとうございます。今回、見事に、東京藝術大学大学院の音楽文化学専攻に合格されました。読者の方にも分かりやすいように、『音楽文化学』という専攻について、何をするところなのか教えてください。

(T.I.)音楽文化学専攻は、音楽学、音楽教育、ソルフェージュ、音楽文芸、音楽音響創造、芸術環境創造、と分かれていて、演奏実技を主としたものではない専攻です。
主に学術的な研究をするところです。
僕はその中でも「音楽教育」に特に関心を持っていたので、その研究室を受験しました。

―なるほど、つまり音楽教育について、学術的に深めたいと。

(T.I.)そうですね。藝大の音楽教育学は、他大学の教育学部に比べて、生涯学習としての音楽だとか幼児教育、医療現場、障がい者支援など、扱うテーマが幅広いですね。
学校教育にとらわれずに研究を行っています。

―T.I.さんは洗足学園音楽大学のサクソフォン専攻を卒業後、高校の音楽の先生をしていたと聞きました。その経験がベースにあったからこそ、さらに大学院で学ぼうと思ったのかな?

(T.I.)はい。働いていた学校で、吹奏楽部の部活指導をしていたのですが、そこで様々な課題を抱えた高校生がたくさんいるということを実感しました。現場に立って初めてわかったことです。

ですから、音楽を学ぶことに困難を感じている子たちの助けになりたいという思いがありました。
特に吹奏楽部では、先生や先輩から十分に指導を受けられなかったり、資金面で教材が揃わなかったり、そうしたことを解消するような研究をしたいと思いました。

―ところで、最初この教室にいらしたときは、たしか和声を学びたいというご希望で、そんなレッスンをしていた記憶があります。

(T.I.)美ゞ(びび)音楽教室教室に通うようになったきっかけは、学校の部活動のために吹奏楽の編曲をもっと出来るようになりたいということでした。そのために、和声と作曲を学び始めました。
しかし、レッスンに通う中で、大学院の受験をすることを決めたので、途中から受験のための科目を受けることになりました。

―藝大の受験対策に切り替えてからは、この教室では、ソルフェージュ、ピアノ、楽典過去問の添削、研究計画の添削をすることになりましたね。それぞれのレッスン内容や記憶に残っているエピソードを教えてください。

(T.I.)ソルフェージュについては、やればやるほど出来るようになるという実感がありました。受験のためとはいえ、楽しかったです。

時々、慎一郎先生が作曲した独自の課題をやったのが面白かったですね。旋律聴音でとても難易度が高いものをやったり、試験では使われなさそうな新鮮な響きの和声聴音に挑戦したり(笑)、過去問に似たものを作っていただいたり。いろんなタイプの課題に取り組めました。

ピアノについては、試験課題として演奏するために、モーツァルトのピアノソナタのレッスンを受けました。
特に、音楽史で古典派の時代を勉強して、知識と演奏がつながってきてからが、面白かったですね。
取り組んでいた曲をモーツァルトが作曲した年が、今の自分の年齢と同じと知ってからは、親近感もありました。

楽典については、教会旋法が印象的でしたね。苦手だなと思ってたんですけど、この教室で覚え方のコツを伺ったら、5分くらいで覚えられてスッキリしました(笑)

研究計画については、自分の中で漠然と「こういう事がやりたい」と考えていたことはあったんですが、客観的に添削していただいたおかげで、しっかり言語化できたのは良かったです。 自分自身、かたくなな面があるためか、ここはこうした方が良いんじゃないかと提案してもらっても、どうしても譲れないというラインがあったりして。でも、そういったことも丁寧に受け止めていただけたのが印象的でした。

―数ある受験科目の中では、どれが大変でしたか?

(T.I.)やっぱり研究計画ですかね。出来上がるのがギリギリだったというのもあるんですが…
こうしたものを書き始めてみると、仕事を休職してまでやる意義があるんだろうか、などということで悩み始めてしまうんですね。
でも、この教室でレッスンを始めてからは、その意義がはっきりしてきて、モチベーションが保てました。

―T.I.さんの音楽との出会いについて、少しお聞かせください。まず、音楽との最初の出会いはいつでしたか?

(T.I.)4歳の時にピアノを始めました。元々は姉が習っていたので、ピアノもありました。当時マンションで暮らしていたのですが、たまたま隣の部屋も下の部屋もピアノの先生が住んでいるというマンションだったので、ある意味環境が整っていましたね。
中学生になって部活でサックスに出会ってからは、サックスにのめりこんでいきました。
楽器との出会いがあって、自分に自信が持てたり、自分を変えてくれたと思っています。

―中学生や高校生の頃の将来設計というか、夢は?

(T.I.)高校生の時には音楽を仕事にしたいなと思っていました。具体的には、学校の吹奏楽部の顧問になりたいという思いがありました。
学校の先生になるために色々なことを出来るようになりたかったので、高校1年生の時から声楽を習い始めたり、大学に入ってからは副科で打楽器を習ったり、ジャズピアノの即興、ミュージカルのボーカルレッスンなど、たくさん受けました。とにかく学びたい欲が強くて、今も続けているものもあります。

―さて、あらためて大学院では、どんな学び・研究をしていく予定ですか?

(T.I.)教育困難校の吹奏楽部の生徒が使うことが出来るような、教育心理学的な面からも研究したメソッド、教本を開発していきたいと思っています。
また、部員も少なく、指導者も少ない、そういった環境にある子どもたちにも、吹奏楽を広めていきたいです。

―最後に美ゞ(びび)音楽教室のオススメポイントを教えていただけますか?この記事を読んだ、たくさんの方にご来室して頂きたいので、アピールポイントを『盛りめ』にお願いします。

(一同笑い)

(T.I.)盛りめにってことではないんですが…(笑)大きくいうと2つあると思います。
1つは雰囲気の良さですね。ご家族でされている教室ということもありますが、ビジネスライクな関係性ではなくて、もうちょっと深くて、気軽に質問もしやすかったです。

もう1つはいろんな視点からアドバイスをもらえるところだと思います。特にピアノのレッスンで感じましたが、作曲家の視点、ピアニストの視点、和声学からみた視点…といろいろな面からみていただけるのは、この教室ならではだと思います。

受験科目の大体をこの教室でレッスンして頂けたのも良かったです。

それから、臨機応変にオンラインレッスンにも対応いただけたので、仕事が急に長引いた時などにもレッスンを続けやすかったのも、ありがたかったです。

―これから音大・大学院受験を考えている方にアドバイスをお願いします。

(T.I.)受験は、いかに多くの情報を集め定着できるかと、一緒に頑張れる人や伴走してくれる人が必要だということです。
僕の経験からいうと、大学院の受験は、はじめのうちは孤独だったのでなかなかモチベーション維持が難しかったです。
なので、志望する大学の卒業生など、アドバイスをくれる人がいることが大切だと思います。

そういった点でいうと、ここの教室では二人三脚でやってきたというような、一緒に頑張ってくれたという気がしています。それがすごく良かったです。
ですので、そういったことを参考にしてほしいですね。

―私たちも素晴らしい経験をさせていただきました。今日はありがとうございました。

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