絶対音感と相対音感についてのお話

今日は、音感に関する話題です。
少し難しい説明も含みますが、なるべく分かりやすくお話ししたいと思います。

ピアノや作曲などを習ってらっしゃる方や、ソルフェージュ教室をお調べになっている方は、絶対音感という言葉を耳にしたことがあると思います。

絶対音感とは、ある音を単一で聞いた時に、「それはこの高さのドの音だ!」などといったことが分かる感覚のことです。

この感覚が優れている方は、同時に複数の音が鳴っていても一つ一つを分類して認知できますし、場合によっては車の走行音や鳥の鳴き声もドレミで聞き分けることができます。

さて、では絶対音感を身につけるには、どうしたら良いのでしょうか?

実は絶対音感は、ある程度小さい頃からピアノやソルフェージュを習っていると、自然に身についてしまうものです。つまり、多くのケースでは、特殊な訓練を受けなくても(ある程度正確な)絶対音感は覚えてしまうのです。

絶対音感の長所は色々あります。例えば、楽譜と演奏のミスにも容易に気づけますし、即興演奏や耳コピにも利用できます。そういった意味で、絶対音感は、やはり大変便利なものです。

しかし一方で、これは意外かもしれませんが、プロフェッショナルの演奏現場では、絶対音感よりも、むしろ相対音感の方が重視されます。

相対音感とは、音と音の高さの幅を認知する感覚のことです。つまり、ある音を基準として、「その音よりも、これぐらい高い・低い」といったことが分かる感覚です。

そして、その「高い・低い」には、度数という数字が割り当てられています。
例えば、ドとミの度数は3度です。相対音感が優れると、今度は複数の音を同時に聞いた時に、「4度と3度と5度が組み合わさっている」といったことが認知できるようになります。

さて、では皆さん、ここでオーケストラの楽団員になったことを想像してみてください。

目の前の楽譜には、「ド・ミ」の和音が書かれていて、となりの奏者がドの音を、自分はミの音を担当しなくてはなりません。
ここで重要になるのが相対音感です。となりの人のドに綺麗にハモるように、自分がミを出すには音を相対的に捉える必要があるからです。つまり、こういった場合に、絶対音感だけに頼ってしまうと不具合が生じるのです。

その最大の理由は、オーケストラは基本的に純正律というピッチ構造でハモっているためです。純正律とは、協和音程がうねりを発さずにピタリと綺麗に合う音律(調律)のことで、平均律で調律されるピアノとは根本的に異なった音律です。

また、現代のオーケストラは、442Hz~という高めの基準ピッチを採用しているケースが多いので、仮に440Hzのピアノで絶対音感を身につけてしまうと、それが正確であればあるほど、アンサンブルに対応することが大変になります。

別の観点では、演奏作品の解釈において、度数という概念が非常に重要なものであるということがあげられます。特に印象派までの作曲家は度数、つまり音程(音と音の高さの幅)というものを作品の根幹に据え、作曲の動機(テーマ)にしました。

こういった様々な理由から、正確な絶対音感をピアノを使って身に付けるより、相対音感の方がより重要になってくると言えるのです。

絶対音感と相対音感は相反するものとして語られがちですが、私は、両方をうまく使い分けて利用すれば良いと考えています。

実際、プロフェッショナルの音楽家で、両方を使い分けて仕事をしている方は多いようです。(宮川慎一郎)

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