ラヴェルの生まれた家

今日は、少しだけ思い出話をします。

大学4年のころ、フランスに行くことにしました。
といっても、ひと夏のことです。このオーディションに通ったら、行こう!と音楽祭のマスタークラスに録音を送り、フランス語のメールに悪戦苦闘しながら…海外に、それも一人で行こうなんて、初めての試みでした。

行先はパリ、ではなく、サンジャンドリュズ。スペインとの国境近く、バスク地方と言われる場所です。
理由はなんといっても「ラヴェルに会いたかったから」。
会えるはずはないのですが、当時から私はラヴェルが大好きでたまらず、彼が生まれた町に是非行きたいと思っていました。

今思えば、よく挑戦したものだと思います。でも、本当にやりたいことに向かっているときには、何かに助けらるものですね。この時にも、たくさんの人と幸運に恵まれ、忘れがたい経験を得ることが出来ました。

 

夏になると、その時のことを必ず思い出します。出来事の全てが印象的なことばかりで、語り始めたら止まらなくなってしまうので、今日はひとつだけ。

それが、ラヴェルの生まれた家の話です。

「生まれた町なんだから、生まれた家が残ってるかもしれない」というざっくりした期待を胸に、ある日私は町の観光案内所に向かいました。

そしてかなりカタコトのフランス語で、こう尋ねたのです。

「ラヴェルの家はどこですか?」

 

あっさり、こう言われました。

「ここよ。」ラヴェルの生家

 

おそらく、ポカンとして固まっていたのだと思います。受付のマダムが慌ててこう付け加えてくれました。

「1階が観光案内所になってるの。2階より上は公開してないけど、ほら、ラヴェルの写真なんかはここに展示してあるから見ていって」

 

唖然としたまま、見渡すと、そこには確かにラヴェルの幼いときの写真が。

こんなにあっさり叶ってしまうなんて…(しかも知らぬ間に何度も目の前を通り過ぎていたなんて…)とややショックを受けながら、展示をゆっくり見させてもらい、マダムにありがとうと告げてその場を去りました。

ラヴェルの家は、目の前が港です。サンジャンドリュズは、海の香りと、夕日の明るい輝きと、丘の濃い緑の印象的な町。
何はともあれ、身体で感じたことはこんなにはっきりと覚えているんだと感心するくらい、私にはその日々が重要な記憶として残っています。いつかまた、この土地を旅したいものです。ラヴェル通り

 

写真は、観光案内所、ことラヴェルの生家。
もう1枚は、”ラヴェル通り”の看板です。よく見てみて下さい。ほら、あの曲がこっそり登場しているでしょう?

(真唯子)

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