ショパンの黒鍵は印象派の先取り

ショパンの1832年の作(1830年作・1833年出版という説も)。黒鍵エチュード(Op.10-5 “Black Key Étude”)はユニークな音組織を持ったピアノ曲です。

ピアノを習っていたいと思ってらっしゃる皆さんも、聞いたことはある曲ではないでしょうか。早ワザみたいになんでそんなにコロコロと指が動くの?と私は小さい頃に思っていました。

黒鍵エチュード、この右手は全て黒鍵で書かれています。正確にいうと、全ての最高声部(一つのライン)が完全に黒鍵で作られています。黒鍵は、五音音階でできていて、これを別名ペンタトニックと言います。(ペンタトニックという言葉はあとで出てきますので覚えておいてください)

黒鍵エチュードの形式は複合三部形式。内訳はA16-B(16-16)-A18+coda19小節となっています。Aは主調のG flat MajorBは属調のD flat Major、B後半ではバスが半音的に登り、調が移行する末にクライマックスを持ってきています。

さて、今日の本題は、この黒鍵エチュードが印象派の先取りだというお話です。

そもそもペンタトニックは、世界各地の民謡に見られるもので、西洋が長・短調が成立する前に、すでに存在していたと考えられます。

そして、そのペンタトニックを曲に取り入れた西洋人というと、印象派の作曲家を思い浮かべると思います。ドビュッシーの版画1曲目、ラヴェルのマメールロア3曲目で顕著に見られる、あれです。

ドビュッシーらの用いたペンタトニックは、長・短音階と融和させるように書かれており、異なる音組織が一曲に共存できることを示している例です。これは音楽史上の偉業といえます。

その偉業を印象派より半世紀ほど前に、たった一曲だけやってのけたのが、このショパンという人、すなわち黒鍵エチュードなのです。

ショパンにこのような作品群(ペンタトニック作品群)がなかったのが残念です。もしショパンがこの路線で多数の曲を残していたら、音楽史は別の歩み方をしたかもしれません。

(宮川慎一郎)

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