ベルガマスク組曲は、香りと詩

今日は、ドビュッシーの初期のピアノ作品、ベルガマスク組曲のお話を書きたいと思います。
ベルガマスク組曲は、

1.プレリュード
2.メヌエット
3.月の光
4.パスピエ

の4曲から成り立っていて、とりわけ「月の光」は多くの人々に愛され続けています。

さて、この組曲のタイトルになっている”ベルガマスク”とは、一体何に由来するものでしょうか。
これには2つの説があるようです。

1つめは、「(イタリアの)ベルガモ地方の」を意味する”bergamasque”。また、この”bergamasque”は、ベルガモ起源の舞曲を指すこともあります。

ドビュッシーは22歳の時、ローマ賞という作曲賞を受け、1885年からはイタリアへ留学しています。ベルガマスク組曲は1890年頃から作曲されたと言われていますから、イタリア留学時代に目にした印象から、このタイトルがつけられたのではないかと言われています。

ところで、”ベルガモ”って、どこかで聞いたことがある気がしませんか? ベルガモット
そう、柑橘系の果物、”ベルガモット”はこのベルガモ地方に因んでいるとも言われています。
ベルガモットと言えば、紅茶のアールグレイの香りづけとして用いられることでも有名ですし、女性の方ならば香水やアロマオイルなどで目にすることも多いかもしれませんね。
(当教室のレッスン室でも、愛用している香りです!)

田舎の素朴さ、ベルガモットの香り。こんなことを想像すると、音楽のイメージもまた膨らんでいきますね。

 

もう1つのタイトルの由来。それは、ヴェルレーヌの詩集「艶やかなる宴(Fêtes galantes)」の冒頭の詩「月の光(Clair de lune)」の一節から来ているというもの。

Votre âme est un paysage choisi
Que vont charmant masques et bergamasques,
Jouant du luth et dansant, et quasi
Tristes sous leurs déguisements fantasques!

(あなたの魂は選りすぐった風景
魅惑的な仮面、ベルガモの衣裳
リュートを奏で、踊りゆく
幻想的な仮面の下に悲しみを隠し)

ここに、”bergamasques”という言葉が出てきますね。このベルガマスクは、ベルガモ地方を中心として生まれたイタリア古典喜劇の衣装や様式、雰囲気を指します。
マスク、という言葉が含まれている通り、仮面をつけた役者が華やかな衣装を纏い、恋愛や世相を面白おかしく演じます。ピエロやクラウンの原型も、ここから生まれたと言われているそうです。

 

ドビュッシーは印象派、とよく言われますが、香り、言葉、色彩、光と影、風の音…あらゆる雰囲気を捉え、ピアノで表すことができたら本当に素敵ですね。

ただし、メヌエットやパスピエは、とりわけ古典的な舞曲ですから、あまりに酔いすぎないように…
舞曲としての性質も頭の片隅に置き、冷静な演奏ができると良いと思います。
(古典舞曲の話は、いつか別記事に書きたいと思っています。)

(宮川真唯子)

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