モーツァルトはADHDだった?

大人の発達障害については、それをASD(自閉症スペクトラム障害)であるとか、ADHD(注意欠如・多動性障害)であるなどと区別すること自体には、あまり意味がないとするドクターが一定数います。

また近年の研究では、その両方の性質が混じり合っている症例が多く報告されているようで、今後も発達障害に対する分類方法が変わってきそうです。

 

さて音楽のお話ですが、作品のイメージだけで言ってしまうと、同じ古典派でもベートーヴェンはASD的、モーツァルトはADHD的という漠然としたイメージを持ちます。

二人の楽譜を見比べると感じることですが、ベートーヴェンはとにかくこだわりが激しいのです。「何が何でもここはフォルテだ!」という声が聞こえてくる譜づらです。そして、そうと決めたら誰が困っていようが聞く耳を持たない感じなのです。

一方のモーツァルトは、そういったこだわりがあまりないように思います。彼は話だけは、とりあえず聞いてくれそうな気がします。たとえば演奏家が「ここはフォルテが出せないんですが、モーツァルトさんどうしましょう?」などと話しかけたら、「じゃあ僕がやってみるよ」ぐらいは言ってくれそうな気がします。

 

ところで、モーツァルトの妻として有名なコンスタンツェ。彼女は夫の仕事を理解できず、それに加えて大変な浪費家でモーツァルトの人生を縮めたとされています。しかし、本当の浪費家はモーツァルトの方だったという研究があります。

モーツァルト本人の手紙によると、貧困生活の中にあって、それに見合わない高価な燕尾服を手に入れようと、とある男爵夫人に掛け合ったという記録が残っています。

もう一つ、モーツァルトの人物としての特徴は、人生の三分の一ほどを旅に費やしたことです。

初めての旅は、父レオポルドに連れられて行ったイタリア旅行でしたが、その後もロンドン、ベルリン、ウィーン、ミラノ、ジュネーブとあらゆる国と地域を訪れています。

これはモーツァルトが稀代の才能の持ち主として当時から脚光を浴び、各地で演奏を披露したことに由来しますが、それに加え、どうも彼は新しい刺激を常に求め行動していた可能性も考えられます。

というのも、モーツァルトの二年ごとの頻繁な旅行を不服に思ったザルツブルクの大司教に対し、モーツァルトは旅が人生にとっていかに重要かを説く手紙を送り、それが残されているためです。

もし本当に演奏のためだけの旅であったら、大司教はそこまで不満を持ったでしょうか。

 

浪費癖といえば、ADHDにおける多動性の特徴で、物事に計画的な配分が出来ないことと、衝動的な購買欲に由来します。

もうひとつ、一ヶ所の土地に定住出来ないのは、常に新しい刺激を求め続ける特徴を表しているように思います。

そう考えると、やはりモーツァルトはADHDだった可能性が高いように思われます。(特に多動性が優勢のADHDです)

 

ベートーヴェンは作曲するときに膨大な数の下書きを残しました。それに対し、モーツァルトはほとんど下書きをしなかったことについては、別の機会に書きたいと思っています。(最新の病跡学の研究も踏まえて書いていくつもりです)

(宮川慎一郎)

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